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2008年11月17日
維新最大の功労者3 西郷隆盛
第二次長州征伐敗戦で幕府の権威は失墜し次期将軍継承問題で徳川慶喜が十五代将軍となった。西郷吉之助は鹿児島で大目付、陸軍掛、家老座出席に任命された慶応三年に藩父・久光を奉じ藩兵七百名を率いて上洛した。西郷は薩摩藩邸と土佐藩邸で開催される四候会議の下準備にかかった。その後、改めて薩長同盟の誓約をし、なかなか動かない徳川慶喜を挑発する為に江戸に益満休之助や相楽総三を派遣して破壊工作をさせた。また、鹿児島より久光の三男・島津珍彦が一千名の兵を率いて大坂へ到着して着々と倒幕の準備が整った。しかし、土佐藩の後藤象二郎が坂本龍馬の提案で大政奉還の建白書を将軍慶喜に提出し薩摩藩に挙兵を中止するように要請する。徳川慶喜は大政奉還の上奏を朝廷に提出した同じ時期に倒幕と会津・桑名両藩の討伐の密勅が下る。慶応三年、王政復古の大号令が発布され幕府や摂政、関白が廃止されて総裁、議定、参与の三職を設置して国政を運営する新政府が発足する。しかし、王政復古は形式だけで依然幕府は広大な領地と軍事力を持っていた。西郷は何としても幕府の権力を奪わなくては新政府の樹立はありえないと考え御所内の小御所に諸藩の藩主や公家達を集めて「小御所会議」を提案し開かれることになった。この会議で岩倉具視は幕府に対し「辞官・納地(官職を辞し領地を返上させる)」を決定しようとした。しかし、前土佐藩主の山内容堂が強行に反対し福井藩主・松平春嶽らも賛同した為、会議は紛糾し一旦休憩となった。その時、西郷は小御所会議を大久保利通らに任せ、自分は薩摩兵を率いて御所周辺の警備の指揮をしていた。そこへ策尽きた岩倉具視や大久保利通、岩下佐次衛門らが助言を求めに来た。西郷は「短刀一本で用は足りもす。」と言い放ったという。この言葉を伝え聞いた土佐藩士・後藤象二郎は山内容堂にこれ以上幕府を庇えば土佐藩まで朝敵になりかねないと進言し、以後会議はまとまったという。一方、幕府軍を率いて京都二条城に入っていた徳川慶喜は松平春嶽から小御所会議の結果を知らされ「このまま京に軍勢を置いては危険」であると考え、すぐさま大坂城へ兵を引いた。しかし、江戸では西郷の指示で破壊工作を行っていた益満休之助らの挑発に乗った庄内藩を中心とした幕府兵が薩摩藩邸を焼討ちする事件が勃発しこの情報が大坂城の幕府軍に伝わった。辞官・納地の決定で薩摩討つべしとの論に火が付いた。はじめは慶喜も朝廷を後ろ盾にした薩長と争うのをためらっていたが、幕府軍一万五千の士気が上がるのを見て、薩長軍三千の兵に勝てると考え、明治元年に「討薩の表」を掲げて進撃を開始し鳥羽・伏見で激突、西郷は東寺の本営で戦況を見守った。はじめは最新銃器を駆使した薩長軍が有利に戦っていたが、軍勢の数が圧倒的に多い幕府軍が盛り返し一進一退を繰り返した。しかし突如、薩長の新政府軍が「錦の御旗」を翻し朝廷の正規軍となった為、幕府軍は朝敵になることを恐れ戦意を喪失し総退却を余儀なくされた。大阪城に帰った幕府軍は将軍・徳川慶喜に直々の出陣し無傷の兵一万を率いて再度新政府軍に戦いを挑むように求めた。慶喜は「明日、出陣する」と諸兵士に宣言しておきながら、その夜の内に老中・板倉勝静、松平容保ら数名の側近とともに幕府軍艦に乗って江戸へと逃げ帰った。翌朝、主の居ないことに驚いた幕府軍は大混乱となり各自ばらばらで江戸へ退却する。鳥羽伏見の戦いに勝利した新政府軍は有栖川宮熾仁親王を東征大総督に任命し、東海道、東山道、北陸道に分かれて江戸を目指し進軍を開始する。細動は「東征大総督府下参謀」として東海道を通って江戸を目指した。静岡の駿府に入った頃、幕臣・山岡鉄舟が勝海舟の手紙を携えて面会を求めて来た。西郷は山岡に徳川処分七カ条を示した。それを見た山岡は唯一つ「徳川慶喜を備前藩に預ける」という項目に涙を流して抗議した。「もし、西郷殿が私の立場なら主君を敵城に預ける事を了承できますでしょうか」と詰め寄ったという。人情家の西郷は「分かりもした、慶喜公のことはおいどんが責任を持ちもんそう」と理解を示し、山岡は涙を流して感謝したという。
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